必殺仕業人

2010年12月 9日 (木)

必殺仕業人 第2話 『あんたこの仕業どう思う』

「健全な肉体には健全な精神が宿る」をモットーに、やみくもに肉体を鍛錬しまくる変な商人・田島屋伝兵衛が今回の標的。
「権力をカサにあくどい儲けをたくらむ悪徳商人」というだけでキャラ付け充分に思えるが、必殺シリーズにおける津川雅彦とあっては、これだけでは終われない。「イィーッ!」とショッカーのような怪鳥音を叫びながら、パンチやキックのコンビネーションを披露する様は、誰がどう見ても滑稽である。また、このキャラが取って付けたような即席で、津川氏の動きが鈍いというかその・・・全然なってないところを「イィーッ!」の雄叫びで単純に誤魔化しているだけ?な感じがとにかく笑える。

津川氏と結託する与力・大村には、必殺シリーズお馴染みの悪役・今井健二。ただし、前述のように津川氏の印象が強すぎて、本来であればアクの強いはずのイマケンさんもいまいち影が薄い。津川氏のトレーニングジムで、バーベルを無理矢理持ち上げようとして、「あ、それはあなたには無理ですよ」と津川氏からダメだしされたり、津川氏の夜の生活を覗き見しようとしたところを主水に不意打ちされたりと、マヌケなまま物語からフェードアウトしてしまう。

津川氏演じる田島屋とライバル関係にあるのが、大和屋。田島屋の妻・お松の実父でもあるが、公儀ご用達の利権をめぐって両者とにかく折り合いが悪い。そんな折、田島屋で開催された宴席でお松が殺される事件が起きるが、その下手人が喜久三という元芸人。しかし、お松殺しは津川氏とイマケンが仕掛けた罠であった。喜久三はイマケンの手引きにより金で殺しを請け負うが、喜久三は本当は田島屋を狙っていたという設定で、喜久三の雇い主は大和屋だという絵を書いて、世間の目を大和屋糾弾に向かわせることこそ、田島屋と与力・大村の狙いであった。

この際、奉行所に大和屋と喜久三の密会現場を目撃したとウソの証言をするのが、本阿弥さん(相変わらず色っぽい)。本阿弥さん自身は、津川氏に良い様に利用されているような気もするが、とにかく一味として仕業人のターゲットに無理矢理昇格。もちろん、担当はスケコマシのやいとや。既に田島屋の宴席で関係済であったやいとやは、いとも簡単に本阿弥さんの浴室に潜入。胸をもみしだきながら、針を打つ。

田島屋を担当するのは剣之介であるが、普段から肉体の鍛錬を怠らない田島屋の始末には一苦労する。田島屋と剣之介がバトルを繰り広げている間、既にイマケンを始末した主水は傍観するだけ。助太刀することも出来た筈であるが、実は、出陣間際に剣之介が現場にお歌を連れて行くことを知り、主水、やいとや、捨三が剣之介を糾弾する場面がある。「なんで助けてくれなかったのよ」と主水を咎めるお歌であったが、「こっちは金払ってるんだ、きっちり働いてもらわないと」と言い放つ主水。剣之介を信頼し切れなかったのか?またはテストしていたのか?いずれにせよ、ここらあたりが仕業人の持つ独特のドライさともいえる。

金に困っている主水の家の離れには間借り人、無料で市井の人々に診療を施すやいとや、なかなか芸事が身に付かず苦労する剣之介・・・各々の表の顔もくまなく描写されていて、なかなか中身の濃い一編。


ゲスト:津川雅彦、今井健二、本阿弥周子、石山律雄         Shiwazanin2

脚本:田上雄

監督:松本明

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2010年12月 8日 (水)

必殺仕業人 第1話 『あんたこの世をどう思う』

のっけから「おい、あんた聞いてんの?聞いてんのかよ!」と宇崎竜童にドヤされる。
最下級の牢屋見廻り同心に格下げされ、傘貼りの内職に励む(無理強いされる)主水。
金に細かくスケコマシという、まったく友達が出来なさそうなイヤなタイプのやいとや又右衛門。
クリーニング屋に転職したものの相変わらず景気は良くなさそうな捨三。
そして追われの身であり、その日暮らしの赤井剣之介。
魅力的な登場人物ゼロ。牢屋に廃墟にかくれ里。斬首と女郎の腰巻と下手な居合抜き。寒い、虚しい、埃っぽい。これが仕業人の世界観である。

背景にあるのは、オイルショック後の没落した社会。しかし、当時の世相がどれほどのものだったのか?体感したことのない私からはわからないが、今、このドラマを見てみると、この寒々しい現代にこそ仕業人の世界観はマッチしている。実際、娑婆では食い扶持が無いと、チンケな犯罪を繰り返して刑務所へ舞い戻ってくる出戻り銀次のような輩は、現代では珍しくないわけだし、口入れ屋に群がる仕事を求める町人らの姿は、そのまま派遣切りやワープアというキーワードを思い起こさせる。この1976年に製作されたドラマが、結果として2010年現在のリアリティを描写してしまっているというのが怖いところ。ついでに1976年に出生し、こんなことをしみじみと綴っている自分も自分だが。

かつて、剣之介が真っ当な藩士だった時代に、許婚の約束を交わした姫様(安田道代)が第1回の標的となる。ちなみに、気に入らない女中をいとも簡単に殺めたり、腕利きの織物職人に最高の着物を織らせたあげく、「これ以上の代物は二度と織らせまい」と右腕をちょん切ってしまったりと、恐ろしい人物である。これからも、エキセントリックでアブノーマルな悪人たちが多数登場するのだろう。ヘビーなシリーズになりそう。


ゲスト:安田道代、木内みどり、絵沢萌子、汐路章          Shiwazanin2

脚本:安倍徹郎

監督:工藤栄一

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2010年12月 6日 (月)

必殺仕業人(1976)

あんた この世をどう思う
どうってことねえか
あんた それでも生きてんの
この世の川を見てごらんな
石が流れて木の葉が沈む いけねえなあ
面白いかい あんた 死んだふりはよそうぜ
やっぱり木の葉はぴらぴら流れて欲しいんだよ
石ころはじょぼんと沈んでもらいてぇんだよ
おいあんた 聞いてんの 聞いてんのかよ
あらぁ もう死んでやがらぁ
はぁ・・・ 菜っ葉ばかり食ってやがったからなぁ


赤井剣之介:中村敦夫
やいとや又右衛門:大出俊
お歌:中尾ミエ
捨三:渡辺篤史
島忠助:美川陽一郎
出戻り銀次:鶴田忍
お澄:二本柳俊衣
間借りの玄覚:田淵岩夫
千勢先生:岸じゅんこ
中村りつ:白木万理
中村せん:菅井きん
中村主水:藤田まこと

OPナレーション:宇崎竜童

主題歌:「さざなみ」(歌:西崎みどり)

制作:山内久司、櫻井洋三、仲川利久
音楽:平尾昌晃

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