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2010年9月 2日 (木)

必殺仕置屋稼業 第12話 『一筆啓上魔性が見えた』

盗みのためなら、人殺しも厭わない極悪盗賊団。その長が岸田森。妻が中川梨絵。
盗みに入られた上、一族もろとも惨殺された商家。偶然、そこに立ち寄った市松は、虫の息の主人から仕置の依頼を受ける。血塗られた小判。死人に口なし。「仕置料をハネることも出来る」とうそぶく市松であったが、腐っても坊主の印玄は「仏さんの依頼は断れねぇ」と仕置を誓う。捨三、主水、そして市松も仕置の準備にとりかかる。盗賊団は表向き、越中屋という商家を営んでいた。臭いと睨んだ市松が越中屋を張っていると見覚えのある女が一人。幼馴染のおるいであった。10年振りに出会った市松とおるいは衝動的に男女の仲になりかける。

おるいから越中屋が盗賊で、その首領がおるいの夫・銀次であることをつきとめた市松。銀次が図面絵師の爺を殺す場面を目の当たりにし、思わず市松の家へ逃げ込むおるい。銀次の手の者がすぐに市松宅へ押し掛けるも、市松は素早くこれを始末した。市松の殺しを見たおるいは、何故かちょっと興奮するのであった。

かくして市松、印玄、主水は銀次ら一派の仕置に成功する。
市松が家に戻ると、おるいが女房のように飯の仕度をしていた。「あんたが殺った死体は埋めてきた」とおるいは言う。さらに夫・銀次が死んだことを市松が告げるも平然と受け流すおるいであった。市松がしばしの眠りから醒めると、傍らにはおるいが居た。おるいの父も盗賊であった。父が迎えた後妻をおるいは自らの手で殺したと告白し、行灯に群がる蛾を竹串でグサリと一突きした。「ずっと、あんたが好きだった。一緒に裏稼業をやって行こう」と求めてくるおるいの首筋に、市松はそっと竹串を刺し込むのであった。

おるいは物語の端々でかつて市松と遊んだ日々を思い出す。市松もおるいと夕日が暮れるまで遊んだことを夢にみる。おるいは、市松に惚れていたのか?はたまた、おるいにとっては市松さえも手段でしかなかったのか?おるいの本心は最後まで明らかにされないし、市松がおるいを葬った理由もまた定かではない。まるで人が変わったようにみせるおるいの魔性が怖かったのか?おるいを想うからこそ、おるいが裏の世界へどっぷり浸かってしまう前に阻止したかったのか?いや、市松自身にも答えはわからなかったのかもしれない。楽しかった過去、今後おるいと暮らしていけば自分の身の上に降りかかるであろうリスク、愛情、慕情、違和感、恐怖感・・・市松にとってはおるいを葬り去ることでしか、積もる様々な感情を振り払うことが出来なかったのだろう。

今回は市松のクールさに酔いしれるべし、の回。そして、出番は少ないながら圧倒的存在感をみせつける岸田森。さらに中川梨絵の妖艶さも特筆もの。『(秘)色情責め地獄』『竜馬暗殺』。やっぱりこの人は時代劇だよなぁ。


ゲスト:岸田森、中川梨絵、近藤宏                   Shiokiya

脚本:安倍徹郎

監督:蔵原惟繕

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コメント

はじめまして。

この作品は最近出た講談社の必殺DVDシリーズで初めて見ましたが、とにかく第一話のコンビが見せた、映像美は圧巻ですね。

特にこの脚本の場合、人間、特に女性の描写に独特の物があるのも特徴で。

投稿: JIN | 2010年10月30日 (土) 22時24分

コメントありがとうございます。

そうですね。安倍徹郎氏のものは、確かに情念に訴えかけるような話が多いような
気もします。

投稿: りょう | 2010年11月 6日 (土) 21時19分

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