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2010年9月

2010年9月22日 (水)

必殺仕置屋稼業 第26話 『一筆啓上脅迫が見えた』

岡引きの弥七(山本麟一)は、夜間見回りの最中、質屋・益田屋へ。益田屋からお茶を振舞われ世間話に講じる。その間、益田屋の蔵に盗賊が忍び込んだ。ところが、蔵の千両箱には小銭しか無かった。その後、盗賊・鉄吉(高峰圭二)と外で示し合わす弥七。弥七は盗賊と組んで、益田屋の隠し金を狙っていた。

大工の富蔵(美川陽一郎)が益田屋の蔵で仕事をしたことを掴んでいた弥七は、「益田屋はあくどい高利貸しをしている」とうそぶき、富蔵から蔵のからくりを聞き出そうとするが、なかなか口を割らない富蔵。弥七は、鉄吉に富蔵の娘・お京を襲わせる。逆上した富蔵はノミで鉄吉に襲い掛かった矢先、弥七が乗り込んできた。富蔵は傷害の現行犯で牢屋に入れられてしまう。富蔵は病弱であり、牢屋の厳しい生活は堪えた。弥七は、富蔵を心身とも追い込んで、口を割らせる腹だった。

牢屋に入れられた富蔵から詳しい事情を聞くために、今回は体が丈夫な印玄が牢屋への囮捜査を押し付けられる。「百叩きはイヤだ」とクサる印玄であったが、仕置料前払いと主水の手心で五十叩きに刑を軽減することを条件にしぶしぶ役目を引き受ける。そうと決まれば、早速、竹の湯の脱衣場で盗みをはたらいて、簡単に牢屋への潜入に成功。怪力で牢屋の衆をビビらせて、あっという間に牢名主の座をゲットするのだった。印玄は、富蔵からようやく益田屋の蔵の隠し部屋の謎を聞き出すことに成功するが、富蔵は息絶える。富蔵は印玄に打ち明けるより先に、弥七の脅迫に屈し、隠し部屋のことを吐露していた。

印玄に刑が執行される日がやってきた。主水は印玄に五十叩きを約束してくれたが、フタを開けてみれば百叩きであった。さすがの印玄もボロボロのガタガタとなり、アジトへ帰還。今回の仕置は、市松、主水の二人で実行することとなった。市松は蔵へ押入った鉄吉を仕置。一方、主水は仕置決行の晩、当直であった。捨三は機転を利かして、奉行所近くで盗人騒ぎを起こし混乱を巻き起こす。捨三は盗人騒ぎの目撃者のフリをして、奉行所内への潜入に成功。主水は腹痛を装い、便所へ駆け込む。便所で捨三と入れ替わり、主水は外へ。主水は全力で益田屋へとダッシュ。主水が不在の間、捨三は便所内で「う~ん」と唸り、時間を稼ぐ。益田屋前に辿りついた主水は、「俺ぁ、忙しいんだ。早く成仏してくれ」と弥七を手早く始末。また、ダッシュで奉行所へ戻る。門番の目を欺くことに成功し、素早く便所で捨三と入れ替わるのだった。

相変わらず、ヤマリンさんが押し出しの強さを発揮して小悪党を好演。主水と捨三がコンビプレイで絶妙のすり替わり術を披露する。それにしても、女衒・国広富之って・・・(笑)


ゲスト:山本麟一、美川陽一郎、高峰圭二、国広富之         Shiokiya

脚本:保利吉紀

監督:松野宏軌

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2010年9月21日 (火)

必殺仕置屋稼業 第25話 『一筆啓上不倫が見えた』

一見、貞淑そうな妻(市原悦子)が、真面目一徹で何の面白味もない夫に嫌気がさして浮気に走ってしまうという、ルーティンな昼ドラ的お話。

不貞だけで事が済めばマシだったのかもしれないが、妻・志乃は悪徳商人・三州屋に金で雇われた簪職人・清吉(寺田農)にスケコマされ、奉行所が委託する橋の公共工事の入札額を漏洩してしまう。結果、入札は三州屋が一両違いで落札するに至った。事実を知った夫は、責任を取る形で自害する。
一方、三州屋と入札を争い敗れた相模屋から、「今回の入れ札は不正があったのでは?」と調査を依頼されていた主水は、捨三に三州屋を密偵させる。捨三からの報告を聞き、普段の志乃を知る主水はにわかに信じがたかったが、市松から決断を迫られ、仕置を決行する。

仕置にはシビアな主水だが、女性観は凄くピュアである。貞淑な志乃がスケコマされたと知り、首をかしげる主水にズバッと市松が「女の本性なんてわかりゃあしねぇよ」と言うと、「なにを~」とムキになるわ、清吉から「志乃を手篭めにした覚えは無い。あの女は好きで俺に抱かれた。女なんてのは、一皮むけば、みな薄汚ねぇ牝猫だ」と偉そうに言われ、「おめぇなんぞ、地獄に落ちろ」と怒りは露にするわ。

今回の印玄は、同じ女好きでも自分とは正反対なヌメっとしたタイプの清吉が、ハナっから気に食わなかったようだ。屋根上から、清吉を漁網で捕まえて引き上げて、ハンマー投げの要領でぶっ放すという新技を披露。大して悪事を働いたわけでもないのに、悲惨な死に方をする寺田農も可哀相だが、「助けて~、下ろして~、目が回るぅ~」って、生死の間際でそういう問題じゃないだろと(笑)
市松は工事現場で三州屋の部下・五味龍さんを仕置。捨三のサポートで五味龍さんの死体の上に土嚢がどんどん積み込まれていく。
主水は、三州屋を口に咥えた小判ごと真っ二つに切り裂く。格好良い。

帰宅後、せんりつから直ちに障子の張替えを命じられる主水。「働かざるもの食うべからずですよ!」って一生懸命お勤めを終えてきた主に言う言葉かよと、改めて主水の扱いっぷりは酷いなぁと思うわけだが、色町で清吉の消息を訪ね歩く志乃の憐れな末路を見た後とあっては、このありふれた日常も幸せと感じることが出来るのか。「へへっ、これでいいんだ」と直ちに障子張りに取り掛かる主水なのだった。


ゲスト:市原悦子、寺田農、小笠原良知、五味龍太郎        Shiokiya

脚本:中村勝行

監督:大熊邦也

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2010年9月20日 (月)

必殺仕置屋稼業 第24話 『一筆啓上血縁が見えた』

商家・丹波屋を色目で骨抜きにする女・おきぬ(荒砂ゆき)。丹波屋には病で臥せっているおせきという妻がいた。おせきを絞殺し、首吊り自殺にみせかけたのは伝蔵(長谷川明男)。おきぬと伝蔵は兄妹であった。丹波屋の後妻に納まったおきぬと兄・伝蔵の次なるターゲットはもちろん丹波屋。こういう手口で商家を乗っ取っては大金を得、おきぬ、伝蔵の兄妹は各地であくどく私服を肥やしてきたのだった。

伝蔵がおせきの寝床に忍び込んだ際、伝蔵にのされた奉公人のおかよ(宮前ゆかり)は、当然の如く、おせきの死に不審を抱くものの、まともには取り合ってくれない奉行所。そこで、おかよはおこうに調査を依頼する。一方、おきぬは丹波屋から奉公人おかよの出自を聞き、17年前、自分が故郷に捨てた実娘だと確信する・・・

自分の欲望のためなら、実娘を始末することも厭わない。こうやって文章に起こしてみると誠にどぎつい内容であるが、必殺の範疇ではこれくらいの悪人は朝飯前といった感じ。ストーリー展開も少々、凡庸な印象を受ける。だから、というわけではないのだろうが、りつと主水が痴話喧嘩→仲直りして夜の営みをせがむりつ、というよくあるパターンや、主題歌を歌う葵三音子がおはっちゃんの知り合いという役柄で登場しての楽屋オチ披露、主水と村野様がふかし芋のツケ払いや呑み屋での立替払いを巡ってバトルを繰り広げる等、大筋とはまったく関係の無い、尺繋ぎくさいほのぼのシーン多数。

それにしても、荒砂ゆきはブサイクだ。フォーリンラブのバービーそっくりである(笑)『傷だらけの天使』で池部良がゲストの回のヌードダンサー役や若松孝二監督『天使の恍惚』等が印象深い女優さんであるが、なんかこういう役を演じるにしては、ちょっと爛れ過ぎていて、色香に欠ける。
長谷川明男は、自身のトラウマからか、母子ものに異常な反応を示す印玄の怒りをまともに受けた形で、大八車の車輪に嵌めこまれて屋根から突き落とされる。悲惨。


ゲスト:荒砂ゆき、長谷川明男、宮前ゆかり、葵三音子       Shiokiya

脚本:猪又憲吾

監督:田中徳三

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2010年9月18日 (土)

必殺仕置屋稼業 第23話 『一筆啓上墓穴が見えた』

しかし、まぁなんだ。「寺社見廻りの庇護を受け、賭場を開帳するお寺」って、よくぞそういう設定を考え付くもんだ。「悪人はあくどく見せてナンボ」、楽しそうな企画会議の一コマが目に浮かぶようである。ついでに、舞台となる寺の名前が勝運寺って・・・ほとんどネタの域だな。

クライマックス。勝運寺の裏墓地に死体が埋まっているという情報を元に、与力村野は墓地の掘り起こしを敢行する。町奉行が管轄の枠を超えて寺社奉行の領地内で事を起こす・・・もしもこれで死体が出なかったら、責任問題になる。村野様も必死だ。事の真相を知っている主水は、人夫と一緒になって掘り起こしを手伝い時を稼ぐ。

「死体が出たぞ~」タイミングを見計らって、捨三が叫ぶ。一同、振り向いて駆け出した隙を見逃さず、主水は今回の黒幕である寺社見廻同心・榊(戸浦六宏)を自害に見せかけ見事仕置する。いやぁ、緊迫感溢れる仕置シーンであるが、これ、よくバレなかったもんだ。毎回毎回、こんな修羅場だったら心臓が持たないやあね。
印玄は「仕事人」の畷左門よりも早く、人体二つ折りを披露する。これはこれでド派手な大技なんだが、なんか印玄は、屋根落としじゃないと満足気じゃないなぁ(笑)アジトで捨三や主水と喋っているシーンで、鼻くそほじって袖でそれを吹きとって・・・って、新さんの芸の細かさばかりが最近は気になってくる(笑)
ちなみに、市松が勝運寺の住職を仕置するシーンでは、後方にばっちりブロック塀が映りこんでいるような気がするんだが。


ゲスト:戸浦六宏、天王寺虎ノ助、吉沢京子、山本紀彦        Shiokiya

脚本:保利吉紀

監督:松野宏軌

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2010年9月16日 (木)

必殺仕掛人 第16話 『命かけて訴えます』

こういうお話を見ると、身分制度の厳しい時代や戦時中に生まれなくて、自分はなんて恵まれてるんだろうと改めて思います。

質の悪い下田(げでん)を上田(じょうでん)とみなされ、厳しい年貢の搾取に苦しむ甲州平十六カ村。老齢の庄屋衆に代わり、村を代表して弥んぞ、甚八、米吉という三人の若者が、村の現状を老中に上訴すべく、江戸へと決死の旅を敢行したのだった。その道中を護衛することが今回仕掛人チームに与えられた仕事。

動向を素早くキャッチした甲州代官所の追っ手が若者らに迫る。梅安、左内の健闘もむなしく、米吉は射殺される。米吉の本心は上訴云々よりも「何の希望も無い村から逃げ出したい」だけだったことを知る。
三人の護衛を仕掛人に依頼したのは、甚八の姉・お清であった。お清は、村から女郎として売られた身であった。実の弟を含む三人の若者が村から上訴のため江戸へ向かうことを知り、お清は仕掛人への依頼料を工面するため、人殺しまで働いたのだった。姉・お清が斬首される場面を目の当たりにした甚八は、怖気づいて上訴を躊躇う。
一方、弥んぞにはかつて、おいねという許婚がいた。おいねもお清同様、女郎として吉原に売られていた。最後に一目会いたいという弥んぞの意を汲んで、梅安は弥んぞを吉原に連れて行く。おいねと一晩を共にした弥んぞもまた、上訴を躊躇うのだった・・・

こうやって、抗うことの出来ない宿命に多数の若者が命を落としたんだな。そういう屍の積み重ねを下敷きに徳川幕府260年の安泰があった。いや、徳川に限らず、どの時代もどの世界でも、封建制度というのはこんなシビアさの元に成り立っていたわけである。

いつものように、単に人を始末しておけばいいというわけにもいかず、今回はこういうナーバスな事情が絡んだ仕事なので、梅安、左内も思い悩みながら、時には対立する。折りしも、冒頭で梅安が左内に向かって言った「いやぁ、今回は難しい仕事だねぇ」という言葉が現実のものとなる。
左内は甚八に姉の斬首を見せてしまったことを皆から咎められる。梅安は弥んぞのこの世への未練を断ち切ってやろうと、おいねを無理矢理買おうとする。それを聞いて、咄嗟に阻止しようとしたのは左内。
梅安:「
腰に刀無えが、あんた今刀に手かけたね?俺を斬る気かい?」
左内:「あぁ。斬りたい」
一瞬、何らかの策略があって、二人が演技でも打っているのかと思い違えるほど緊迫した名シーンだった。

そんなこんなで、梅安と左内にとって代わって活躍するのが千蔵である。千蔵は上訴に失敗して斬り捨てられてしまった弥んぞとおいねの身代わりとなり、見事上訴を成し遂げる。牢屋に入れられてしまった千蔵であったが、伝馬町牢屋敷からの脱出経験もあるらしい千蔵は、梅安、左内の助けもあって、見事、牢屋からの脱出にも成功するのだった。
めでたし、めでたし・・・ってよく千蔵はその場で斬り捨てられなかったものだな(笑)


ゲスト:松橋登、林ゆたか、古川ロック、梓英子            Shikakenin2

脚本:早坂暁

監督:大熊邦也

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2010年9月15日 (水)

必殺仕置人 第20話 『狙う女を暗が裂く』

これは、どう捉えればいいんだろうか?

おきんの長屋に忍び込んだ連続殺人犯の鬼寅には、殺人を犯すに至った悲しい経緯があった。芸者の蝶丸に惚れこんだ鬼寅こと板前の寅吉は、蝶丸が五百両の借金をかたに身売りされることを知り、自分がそれを肩代わりしようと必死に働く。金を稼ぐべく割りの良い仕事を探して、堺まで出稼ぎに行っていた寅吉は、懇意になった雇い主の主人から、五百両を拝借する約束を取り付けた。それを伝えに一年ぶりに蝶丸の元へ姿を現した寅吉であったが、蝶丸の身の上話はウソであったことを知らされる。蝶丸がうぶな寅吉を騙せるか?隣の座敷では大店の主人たちが蝶丸と寅吉のやり取りを座興として楽しんでいたのだった。事実を知って、寅吉は逆上。自分を騙した蝶丸を殺し、自分が騙されるのを酒の肴にされた大店の主人、伊勢屋と備前屋も続けざまに殺害したのだった。

まぁ、大方こういう話なんだが、寅吉には実質的な被害はなにも無い。現代の感覚でいえば、例えばモテない奴が、少し優しくされたことを「たぶらかされた」などと勘違いして相手の女を襲ってしまう・・・ざっとこんな所だろう。妄信的な寅吉自身は、既に3人も人を殺しているわけですよ。そんな寅吉に思いっきりシンパシーを覚えてしまい、協力しようとする鉄、錠、おきんが果たして、当時から視聴者の共感を得られたのかどうかは非常に気になるところではある。とはいえ、そんなに倫理にうるさくなかった時代だから、鉄や錠、おきんら長屋の住人らの、常に恵まれない者、貧しい者たちの側に立った優しさを描きたかったという、それだけの至極単純なテーマであったのかもしれない。
他人のことを思いやるということが限りなく希薄、そしていとも簡単に衝動的に人を殺してしまう・・・逆に、殺伐とした今の時代をある程度予見しつつのドライなスタンスで描かれたエピソードだとしたら、これはこれで凄い洞察眼である。

鬼寅役は、夏八木勲。やはり存在感はピカ一。取り憑かれたような狂気と、やるせない哀愁を見事に演じ分けます。蝶丸役は真屋順子。私ら世代からすれば、欽どこのお母さんという印象が強く、悪女ぶっていても、どうにも悪そうには見えないな。今回はもっぱらおきんの長屋内での密室劇に終始。よって主水の出番無し。


ゲスト:夏八木勲、真屋順子、沢村宗之助               Shiokinin2

脚本:鈴木安

監督:田中徳三

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2010年9月14日 (火)

必殺仕置人 第19話 『罪も憎んで人憎む』

今回のターゲットは、小判の金の調合をチョロまかして私服を肥やす、老中・秋山但馬守と金座の当主・後藤庄三郎。ちなみに後藤庄三郎とは実在の人物、もとい徳川政権下で200年に渡り金座の御金改役を世襲した名跡である。初代・庄三郎が徳川家康より金貨の鋳造を命じられて以来、14代に渡り明治の世まで後藤庄三郎は続いたが、金目横領、品位を誤魔化したとして、数人の当主が流刑や蟄居を言い渡されている。

慶長小判の改鋳で、大量の金が必要な幕府。老中・秋山と金座の後藤は、江戸を襲った大飢饉の混乱に乗じ、町に蔓延る無宿人どもを佐渡の金山に人夫として送り込むという企てをする。たまらないのは、かつて佐渡金山で苦渋を舐めた経験を持つ鉄。『不毛地帯』でソ連行きを拒絶する壱岐正ばりに、「絶対に佐渡には行かねぇ」と拒否反応を露にする。このエピソードだけでも仕置のきっかけには充分であるが、後藤庄三郎には秋山の政敵・星野淡路守の一派にして過激派の息子・精一郎が居たという設定を加え、物語にいっそうのスリルを植えつける。

後藤家お抱えの小判師たちが代々、金目を誤魔化した小判を鋳造し、その度に口封じの為、小判師たちは消されていった。そういう屍の積み重ねで、金座のポジションを守り続けてきたのが後藤家。それに反発し、透明な政治を標榜する星野淡路守に心酔したのが精一郎。精一郎は、士農工商制撤廃の理想を掲げるスイメイシャ(水平社運動の水平社のモジリ?)に属する革命家でもあった。

秋山・後藤と危機に瀕する無宿人たちの代表となった鉄や錠の対決、単に金座の利権が欲しいだけの星野一派に騙され、そして実父の庄三郎からさえも命を狙われる羽目となる悲劇の青年・精一郎のドラマ、口封じの為、殺されんとする小判師・為造と恋仲・精一郎の恨みを鉄や錠に託す為造の娘・おその。これだけ詰め込んじゃもったいない。映画に出来るぞ(笑)

精一郎のキャラは、学生運動が終焉を迎えつつあった当時の世相からか。たまたま奉行所にやって来た後藤が、捕われの身となった我が息子・精一郎を見て一瞬顔つきが変わったのを見逃さず、庄三郎と精一郎の親子関係を割り出した主水の鋭さには今回も感嘆。
後に伊丹映画の常連となる鉄・山崎努と秋山・伊丹の興味深い共演。加藤武は『仁義なき戦い』シリーズで、金子信雄や田中邦衛と双璧のセコさで、シリーズ中でも白眉ものの悪役・打本を演じていたりして油の乗っていた頃。今回は打本とは一味違う、金と地位の為なら実子の命を差し出すことも厭わない非情な後藤を好演しています。


ゲスト:伊丹十三、加藤武、川口恒、今村京子             Shiokinin2

脚本:國弘威雄

監督:蔵原惟繕

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2010年9月13日 (月)

必殺仕掛人 第15話 『人殺し人助け』

記念すべき必殺“津川悪役シリーズ”の処女作である。この時期、津川氏は俳優として行き詰った時期にあったらしく、今となっては考えられないが、なんと毎日放送ラジオの競馬中継の司会までしていたそうである。朝日放送の松本明ディレクターとは旧知の仲らしく、このエピソードを皮切りに必殺第7作の「仕業人」まで松本監督演出作品に印象的な悪役として連続登板している。

津川氏演じるのは鳥越の松十郎という仕掛人。金のためなら、女や子供の殺しも厭わないという、音羽屋とは対極の仕掛人。梅安を罠にかけて、江戸に一大仕掛人組織を作ろうと目論む。そんな松十郎に音羽屋が黙っているはずもない。

今回の音羽屋も怖かった。音羽屋が匿っていた伊勢屋の跡目となる幼い子供・国太郎を殺害すべく、音羽屋の蔵を襲った松十郎。
音羽屋は、松十郎と結託した同心に左内とともに足止めを食わされていたが、寸でのところで国太郎とおくらを救出。隙を見せ襲おうとした松十郎に対し、音羽屋は刀を一閃。左腕をばっさり落とされる松十郎。左腕を落とされたにもかかわらずじっと無言の松十郎にちょっと違和感。しかし、音羽屋から刀を突きつけられ、「ん~ま、ま、ま、待ってくれ!待ってくれ!俺が悪かった。二度とやらねぇ。な?嘘じゃねぇんだ。俺が悪かった、勘弁してくれ。この通りだ。な?お願いだ。な?命だけは勘弁・・・」と必死の命乞いに思わず爆笑。いいよ、津川さん。みすぼらしいなぁ、最高の悪党ぶりですぜ。

その松十郎の囲い女で、色目を使って梅安の針を盗み出すのが、この人抜きでは70年代男性上位時代の映画、ドラマは語れない、個人的には「早過ぎた嫌われ松子」だと思っている渚まゆみさんじゃないですか。梅安を骨抜きにするその色気はさすがの一言。でも、結局、男に振り回されたあげく、場末の飲み屋でヤケ酒あおるしかない、いつものまゆみさんなのだった。

それにしても松十郎は、「仲間になれ」とあっさり梅安に五十両渡したあげく逃亡されたり、一味に左内さんが紛れ込んだのを最後まで気付かなかったり、なんだかその、間抜けで憎めなかったなぁ。ラスト、松十郎から奪い取った五十両を「今回の仕掛料」とおもむろに取り出す梅安。いつも通りの取り分で分配して高笑いが止まらない、梅安、左内、音羽屋の三人なのだった。


ゲスト:津川雅彦、赤座美代子、渚まゆみ、寺島達夫              Shikakenin2

脚本:山田隆之

監督:松本明

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2010年9月11日 (土)

必殺仕置屋稼業 第16話 『一筆啓上無法が見えた』

藩の公金に手をつけていた勘定役の菅貫太郎はそれを同僚に見つかってしまう。真面目な同僚から告発を予告された菅は、切腹にみせかけて同僚を殺害する。殺害された同僚には、二人の子が居た。父を失った姉弟は、菅に復讐を誓う。

一方、江戸では旗本・穂積隆信が権力をカサにやりたい放題。脱藩し江戸まで逃げてきた菅はうまく穂積に取り入って仲間にしてもらい、見事に悪の枢軸が完成。無法はさらに勢いを増し、主水ら奉行所もうかつに手の出せない状態となる。そんな折、健気に父の仇討ちを目論む姉弟も江戸へと辿りつく。

やっとの思いで江戸へ辿りついた姉弟は、空腹を満たす為に蕎麦屋へ。ところが、持ち合わせが無い。自分の身体を売って、弟に腹いっぱい物を食わせようと街へ飛び出した姉。「私を買ってください」と声をかけられたのは市松。なんだかんだで相手は慎重に選ぶ姉なのであった。

最初、姉の頼みを断った市松であったが、姉の後方で胡散臭さそうな菅を見て不穏な空気を感じ、姉の手を取る。姉から詳しい事情を聞いた市松が蕎麦の代金を立て替えようとしたその時・・・案の定、菅と穂積に絡まれるのだった。

姑息で極悪非道の限りを尽くすスガカンと穂積さん。この人たちの悪役の極め方はもはや神の域だな。
ここまではっきりしているとかえって気持ちがよろしい。
穂積さんは、街であった無礼討ちの一件で因縁のある主水から一礼された後、ズッパリと見事に斬られる。
穂積さんに金魚の糞のようにくっ付いていた不破潤は、印玄に捕まり空中高く放り出される。「受けて受けて」の断末魔むなしく、不破は首から地面に突き刺さってしまった。今回は仕置の前に遊郭へ行けなかった印玄のフラストレーションが爆発した格好に。
これで残ったのはスガカンただひとり。「武士の本懐を遂げさせてくれ」と切腹する菅。背後に忍び寄る市松。切腹と見せかけ油断したところで市松に襲い掛かる菅であったが、こんなミエミエ芝居が市松に通じる筈も無い。手早く始末される菅なのであった。


ゲスト:穂積隆信、菅貫太郎、秋谷陽子、不破潤           Shiokiya

脚本:保利吉紀

監督:大熊邦也

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2010年9月 9日 (木)

必殺仕掛人 第14話 『掟を破った仕掛人』

梅安と左内はある高利貸しの仕掛を遂行しようとしていた。しかし、二人が現場に駆けつけると、高利貸しは既に殺害されていた。左腕をちょん切られるという無残な姿で。それ以来、仕掛の以来はぱったり途絶えた。先の高利貸し殺害において、依頼人の相模屋までが不審な死を遂げ、「仕掛を頼むと依頼人まで口封じのため殺される」という風評が広まった為である。

そんな折、音羽屋の元へ旗本・井島玄斎から仕掛の依頼が舞い込んだ。幕府勘定方の服部右京ノ介を仕掛けてもらいたいという依頼であった。梅安と左内が右京ノ介の宿に侵入するが、仕掛の前に襲撃を受ける。当の右京ノ介は、忍びのような風体の者達に殺害された。
音羽屋が再び玄斎の屋敷に赴く。玄斎はあっさり他の仕掛人へも依頼したことを認めたが、玄斎自身も仕掛人から襲われたと左腕を負傷していた。今度は自分を襲った者どもを消してもらいたいと依頼する玄斎であったが、音羽屋は即答を避ける。

一方、千蔵、万吉は死体が遺棄されている現場に通いつめていた。現場にはいつも岡引きの伝次が居た。伝次は、自分の管轄外にも顔を見せていたのだ。今回の事件に伝次が一枚噛んでいると睨んだ音羽屋らは伝次を拷問にかけるが、伝次は口を割ることなく舌を噛み切った。次なる手として、音羽屋は伝次の死体を川原に晒し、今回の黒幕を炙り出そうと目論むのであった。

今回のエピソードで仕掛人がピカレスクだということを再認識した。拷問にかけて口を割らせようとする時代劇の主人公など他には居ないでしょう。中村主水もたまに「構わねぇから、殺せ」などと非情に口走ることがありドキっとさせられるが、今回の音羽屋にもゾッと背筋が寒くなる思いがした。まぁ、いろんな意味で仕掛人チームのピンチ回だったと思う。音羽屋はおくらを誘拐されるわ、梅安は足を負傷するわ、左内さんは奥さんに道場通いのウソがバレかけるわで。左内さんの件に関しては、千蔵が見事なファインプレーで奥さんを欺くことに成功する。
結局、黒幕は旗本の井島玄斎。伊藤孝雄はいいとして、下條正巳さんや小坂一也の悪役というのは僕ら世代からしてみれば新鮮なものがあります。


ゲスト:下條正巳、小坂一也、伊藤孝雄                 Shikakenin2

脚本:石堂淑朗

監督:大熊邦也

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2010年9月 8日 (水)

必殺仕掛人 第13話 『汚れた二人の顔役』

なんか、一両の価値がわからなくなってきたな。もう少し後の必殺では、みんな一両づつの取り分で頑張っているというのに、梅安は一晩で前金の十両を使い切ってしまうんである。いったい、今の貨幣価値に換算すると一両っていくらくらいなんだ?そういや、音羽屋が請け負う仕事は数十両とか数百両とか大きい仕事が多い気もする。ちなみに、こちらは可愛いもんだが、左内もちゃっかり子供に新しい硯を前金で買い与えており、音羽屋から「前金を返せ」と言われた際、ちょっと困惑しているのが妙におかしかった。ついでに金がなくなるや、表稼業に精を出す梅安も笑える。治療費を豆で支払うという客も受け容れるのだから。普段はろくに仕事してないくせに(笑)

さて、前金の十両を返さなくてはならなくなったのは、今回の依頼主・両替商の唐津屋が中途で依頼を取り止めたからである。博打狂いの息子・貞次郎が作った借金のカタとして、町のヤクザ・角筈の重五郎に娘を差し出せと脅されて、音羽屋に重五郎の仕掛をいったんは依頼したのだが、重五郎の差し向けたスパイにそれがバレてしまった。そして、あえなく仕掛の依頼を取り止めたのである。

デブでスケベで下品な内田朝雄の元へ、泣く泣く嫁に行く姉を見て、今度こそは改心すると誓う貞次郎であったが、博打狂いはそうそう簡単には治らなかった。一つ木の政蔵との丁半博打でついつい熱くなってしまい、唐津屋そのものを賭けた勝負にあえなく敗れてしまうのである。かくして、唐津屋を軸に角筈一家、一つ木一家の間に抗争の火種がくすぶるが、悪巧みが冴える重五郎は、一つ木一家の壊滅に仕掛人を使うことを思いつく。政蔵も同じく仕掛人を使って、重五郎を始末しようと目論んでいた。音羽屋は双方の依頼を引き受けるのであった・・・

「汚れた二人の顔役」というより「元から汚い二人の顔役」とでも題した方が適切か。だって、内田朝雄と安部徹だ。さもありなんって感じですわ。

敵対する双方の依頼を引き受けて双方とも壊滅させる。ん?どこかで見た様な気もする話だな。松田優作の『殺人遊戯』だったか?


ゲスト:内田朝雄、安部徹、尾崎奈々                  Shikakenin2

脚本:山田隆之

監督:松野宏軌

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2010年9月 7日 (火)

必殺仕置人 第18話 『備えはできたいざ仕置』

勘定組頭の加納十兵衛は、夜な夜な嫁入り前の生娘を虐めるのが趣味だ。しかも、般若の面をかぶって、能を舞いながら、得意の手裏剣で娘を精神的に追い込みながら虐げていくという、訳のわからん変態野郎である。大工の佐吉とまもなく夫婦になる筈だった、おさともそんな十兵衛の毒牙に掛かった一人。おかげでおさとは記憶喪失&統合失調症のようなどうしようもない状態に。鉄による新手の催眠術(?)のおかげで正気に戻ったおさとから、今回の黒幕は十兵衛と材木商の橘屋だということを突き止めるが、三河以来の旗本・加納家のガードは堅い。おまけに十兵衛自身も相当の手錬である。そこで鉄が一計を案じた。昼間はキチガイのフリをしたおきん、半次をしつこく十兵衛に付きまとわせる。夜は鉄の催眠術(?)を使って、トランス状態に陥れていく。十兵衛は徐々に精神に異常をきたしていくのであった。

このホンは時代を感じるヤバさだな。乱心した十兵衛を保護せよ、という命が奉行所内に下る。但し、乱心者ゆえ危険な場合は切り捨てても良いという御触れも同時に秘密裏に下る。これで心置きなく十兵衛を斬り捨てる大義名分が完成するというわけである。

目には目を、歯には歯を、キチガイにはキチガイを、ですか。よう、こんな話が思いつけるもんだ。いやいや、鉄は簡単に十兵衛の寝床に忍び込んでいたじゃないか?そこで十兵衛を殺すことが出来たんじゃ・・・などと突っこむのはこの場合野暮かもしれない。とにかく、冷静に考えてみると無理あり過ぎな話なんだが、無理はあっても無駄は一切ない。まったく鮮やか過ぎて、見入っている内にいつのまにか終わってしまった感じ。
単なる殺しと美学に基づいた仕置の決定的な違いを見せ付けられたような気分。


ゲスト:高森玄、田口計、安倍玉絵                    Shiokinin2

脚本:勝目貴久

監督:松野宏軌

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2010年9月 2日 (木)

必殺仕置屋稼業 第12話 『一筆啓上魔性が見えた』

盗みのためなら、人殺しも厭わない極悪盗賊団。その長が岸田森。妻が中川梨絵。
盗みに入られた上、一族もろとも惨殺された商家。偶然、そこに立ち寄った市松は、虫の息の主人から仕置の依頼を受ける。血塗られた小判。死人に口なし。「仕置料をハネることも出来る」とうそぶく市松であったが、腐っても坊主の印玄は「仏さんの依頼は断れねぇ」と仕置を誓う。捨三、主水、そして市松も仕置の準備にとりかかる。盗賊団は表向き、越中屋という商家を営んでいた。臭いと睨んだ市松が越中屋を張っていると見覚えのある女が一人。幼馴染のおるいであった。10年振りに出会った市松とおるいは衝動的に男女の仲になりかける。

おるいから越中屋が盗賊で、その首領がおるいの夫・銀次であることをつきとめた市松。銀次が図面絵師の爺を殺す場面を目の当たりにし、思わず市松の家へ逃げ込むおるい。銀次の手の者がすぐに市松宅へ押し掛けるも、市松は素早くこれを始末した。市松の殺しを見たおるいは、何故かちょっと興奮するのであった。

かくして市松、印玄、主水は銀次ら一派の仕置に成功する。
市松が家に戻ると、おるいが女房のように飯の仕度をしていた。「あんたが殺った死体は埋めてきた」とおるいは言う。さらに夫・銀次が死んだことを市松が告げるも平然と受け流すおるいであった。市松がしばしの眠りから醒めると、傍らにはおるいが居た。おるいの父も盗賊であった。父が迎えた後妻をおるいは自らの手で殺したと告白し、行灯に群がる蛾を竹串でグサリと一突きした。「ずっと、あんたが好きだった。一緒に裏稼業をやって行こう」と求めてくるおるいの首筋に、市松はそっと竹串を刺し込むのであった。

おるいは物語の端々でかつて市松と遊んだ日々を思い出す。市松もおるいと夕日が暮れるまで遊んだことを夢にみる。おるいは、市松に惚れていたのか?はたまた、おるいにとっては市松さえも手段でしかなかったのか?おるいの本心は最後まで明らかにされないし、市松がおるいを葬った理由もまた定かではない。まるで人が変わったようにみせるおるいの魔性が怖かったのか?おるいを想うからこそ、おるいが裏の世界へどっぷり浸かってしまう前に阻止したかったのか?いや、市松自身にも答えはわからなかったのかもしれない。楽しかった過去、今後おるいと暮らしていけば自分の身の上に降りかかるであろうリスク、愛情、慕情、違和感、恐怖感・・・市松にとってはおるいを葬り去ることでしか、積もる様々な感情を振り払うことが出来なかったのだろう。

今回は市松のクールさに酔いしれるべし、の回。そして、出番は少ないながら圧倒的存在感をみせつける岸田森。さらに中川梨絵の妖艶さも特筆もの。『(秘)色情責め地獄』『竜馬暗殺』。やっぱりこの人は時代劇だよなぁ。


ゲスト:岸田森、中川梨絵、近藤宏                   Shiokiya

脚本:安倍徹郎

監督:蔵原惟繕

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2010年9月 1日 (水)

必殺仕置屋稼業 第10話 『一筆啓上姦計が見えた』

姦計【かんけい】という言葉を辞書で引いてみた。「悪いはかりごと」「悪だくみ」という意味なんだと。ちなみに、「奸計」という字を当てても同じ意味だそうだ。「奸」と「姦」の字の使い分けは、やっぱり性犯罪か否かということなんだろうな。というわけで今回のターゲットは、極悪レイプ集団である。

主水の同僚、安田は亡くなった義父の残した二十両の借金のため、賄賂に手を染める。しかし、あえなく奉行所の綱紀粛正方・土方にみつかってしまう。土方は収賄に目をつぶる代わりに安田の女房を奉行所に差し出せと要求。女房は土方はじめ三人の男達に凌辱され、舌を噛み切り自殺する。慌てて駆けつけた安田も土方らに殺される。

残された安田の一人息子・小太郎をとりあえずは引き取った主水。しかし、せんやりつに二十両の借金を背負った子供だと知られ、せんやりつの怒りを買ってしまう。せんにローキックをお見舞いし、中村家から逃げ出す小太郎。今度は捨三の釜炊き部屋に小太郎を預けるが、屋根の上で鬱状態の印玄を突き落とす小太郎。小太郎を捕まえた印玄はお尻ペンペンをお見舞いするが、児童虐待だと市松に阻止されてしまう。怒りのあまり大木を引っこ抜く印玄。が、既に市松と小太郎の姿は無かった。「もうイヤ、こんな生活」といじける印玄であった。

さて、主水は土方に金を借りに出向く。案の定、「女房を差し出せ」と要求する土方。主水は妻・りつを囮に土方ら一派を一気に片付けようと目論むのである。「しかし、身内の眼の前で仕事をするってのは・・・」と市松。「それをこなすのが玄人ってもんだ」主水の目つきが変わった・・・

りつが必死にお百度参りをしている傍で、土方ら三人を見事な手捌きで片付ける仕置チーム。最初、土方の仲間らがりつを見て「パッとせん」とか「やる気が失せた」などと罵しれば、「いや、悪くないぞ」とマニアぶりを発揮する土方。「女房がヤラれる瞬間を見たくて」と変態のふりをして土方に近づく主水。新技・タケコプターをお披露目する市松。今回はりつに気付かれてはいけないので、仕方なく布で口元を封じて屋根から突き落とす印玄。

一方、孤児の小太郎は市松に懐きっぱなし。無類の子供好きだということが発覚した市松も手放したくはない様子。「お前と同じようになる」と、主水から忠告されるも無視をきめこむ市松であったが、小太郎が竹串で蜘蛛を仕留める姿を目撃してしまう。狼狽する市松に「門前の小僧、習わぬ経を読む」と一言告げる主水。市松はあっさり小太郎を手離すのであった。


ゲスト:横内正、弓恵子、伊藤孝雄                    Shiokiya_2

脚本:田上雄

監督:松本明

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