日本映画の感想 『ラブホテル』
寺田農さんていうのは、ナレーションの仕事も多くて低音の落ち着いた声質の人なんだが、この人の“がなり声”は良くないなぁ。なにか、不快に耳に響く感じで。この映画での名美をいたぶらんとするシーンがそうなんだが、『野性の証明』でのテロリスト役でもそんなことを感じて、今回もそう思ってしまったわけである。
まぁ、それは置いといたとして、ニューセンチュリープロデューサーズが共同製作したロマンポルノ後期の佳作。石井隆脚本なので、主人公はもちろん名美と村木。ただ、これまでの『天使のはらわた』シリーズと比べ、名美はレイプされるとかそういう過去は背負っておらず、寺田農演じる村木がひたすらに情けない男として身を落とし、名美に生への一筋の光明を見出すという物語である。この新しい名美像はロマンポルノ終焉期の石井監督処女作『赤い眩暈』でも踏襲。
とにかく、今までの『天使のはらわた』と比べ、ハードな要素が薄まった分、一組の男女のすれ違い、再会、交わり、嘘、そして別離といった過程が静かに情緒豊かに描かれている。
速水典子はたしかグラドルのはしりみたいな人だったと記憶しているが、ちょいケバい風体がいかにも80年代という感じ。まぁほんとに80年代なんだが。
脇は中川梨絵や益富信孝といった従来からのロマンポルノ組に加え、佐藤浩市、尾美としのり、伊武雅刀、萬田久子、志水季里子ら何気に豪華。ロッキー刑事こと木之元亮も参加。挿入歌『夜へ』(歌:山口百恵、詩:阿木耀子)は凄味を感じさせる怪曲。
『ラブホテル』
監督:相米慎二
脚本:石井隆
撮影:篠田昇
出演:速水典子、寺田農、志水季里子、
益富信孝、中川梨絵、佐藤浩市、
尾美としのり、伊武雅刀、木之元亮
(1985、NCP・にっかつ)
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コメント
寺田農って何だかエロい濡れ場をよく披露する男優ですね。
投稿: 台湾人 | 2011年8月 9日 (火) 00時20分