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2009年4月

日本映画の感想 『極道戦国志 不動』

三池崇史監督第2作。
生首サッカー、小学生のヒットマン、キムチ、ワレメ吹き矢・・・突拍子もなく、お行儀の悪いアイデアが止め処なく噴出する伝説の成人指定作品。主演が今や人気絶頂の谷原章介というのもポイントだ。ついでに竹内力のおかしなロン毛ルックもポイント高し。

残酷描写は際だつが、ただただ観るに耐えない描写、といった風でもなく、そこは三池流ギミックを効かせた面白い見せ方と、軽くリアリティなんてものを超越してしまっているから、例によって観る者が残酷、汚らしいと思うギリギリの線で留めるというその“上手さ”がこの頃から既に発揮されている。ただ、作品そのものが巷で評価されているほど面白いかと言われれば、僕自身は少々疑問である。確かにこれだけの描写でもストーリーを破綻させることなく成立させていることは凄いことなのだが(というよりストーリー自体が有り得ない話だから成立してしまうのか?)、このころはまだ三池作品独特のリズムや歯切れのいいカット割もないし、次の展開がいとも簡単に読めてしまう点にも、つまらなさを感じてしまう。残酷描写にしたって、何が出てくるのかある程度読める分、衝撃度はさほど高くない。三池テイストが好みならば、見るに堪えうる作品だろうが、人によっては嫌悪感以外なにも残らない映画かもしれない。


 『極道戦国志 不動』                            Hudo
  監督:三池崇史
  脚本:森岡利行
  撮影:山本英夫
  音楽:石川忠
  出演:谷原章介、竹内力、野本美穂、
      シーザー武志、高野拳磁、峰岸徹
  (1996、GAGAコミュニケーションズ)

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日本映画の感想 『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』

臓器売買、ホモセクシャル、近親相姦といった過激なネタが飛び出すが、リズム良く捌いて、観る者に嫌悪感を抱かせるギリギリの線で笑いやユーモアに転化してしまうのが、三池監督作品における一つの「味」。「何処かにアリそうな話だな」という位のリアリティはあるものの、これはあくまで虚構であって娯楽なんだという説得力も同居していて、結局は純粋に楽しめてしまうのが三池映画である。

中国残留孤児2世という主人公・椎名桔平は、日本・中国どちらからも疎外を受ける人間として唯一の共同体、家族を大事にする敏腕刑事。
一方、チャイニーズマフィアの首領・田口トモロヲは栄華を極めながらも、国を、そして親を捨ててきたというトラウマに悩み続ける男。彼らの根底にあるテーマは、アイデンティティの確立や模索。これがストーリーの支柱となる。

三池監督の初期作品といえばなにかと突飛で、奇抜で、えげつなくて、とんでもない『不動』が取り沙汰されることが多い。その「不動」よりは、幾分かクールでおとなしめなのかもしれないが、低予算を感じさせない、壮大さや重厚感を兼ね備えている本作もなかなかの出来具合だと思う。


 『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』                 Kurosyakai_2
  監督:三池崇史
  脚本:藤田一朗
  撮影:今泉尚亮
  音楽:アトリエ・シーラ
  出演:椎名桔平、田口トモロヲ、大杉漣、
      シーザー武志、柳愛里、平泉成、
      サブ、井筒森介、須藤正裕
  (1995、大映)

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4月26日の重賞予想、狙い目

京都10R アンタレスステークス(GⅢ 1800ダ)
 ◎  8 フォーティファイド
 ○  6 マコトスパルビエロ
 ▲  2 ダイショウジェット
 △  1 ボランタス
 ×  5 ワンダースピード
 × 12 ロールオブザダイス
 × 11 アドマイヤダンク
 × 14 アロンダイト

言うまでも無く前有利の京都ダートだが、今回は少し前も厳しくなりそうで、差し馬有利の見立てとした。とはいえ、後方一気では間に合いそうもないため、狙いは好位から鋭く差し込める馬。◎フォーティファイド。まだまだ力不足かもしれないが、下克上が激しいダート界。ここで一発を狙う。

東京11R フローラステークス(GⅡ 2000芝 牝馬)
 ◎  7 ミクロコスモス
 ○ 10 ピースエンブレム
 ▲ 11 マイファーストラヴ
 △ 14 マイティースルー
 ×  2 リュシオル
 ×  8 リコリス
 × 12 ワイドサファイア
 × 16 ディアジーナ

よく荒れることで有名なオークストライアルだが、ここは◎ミクロコスモスで大丈夫だと思う。とにかくここ2走は、包まれて脚を余してしまった、距離不足と敗因がはっきりしており、高いパフォーマンスを披露していたデビューからの3戦を考えれば、この馬から入らない手はない。過去の傾向からは前残りが顕著なレースだが、東京戦の内容を見ると、案外前にもつけられそう。他で人気が予想される12ワイドサファイア、16ディアジーナであるが、前者は常に人気先行の初輸送、後者は不利な外枠を引いてしまったので、評価を落とした。

09年重賞成績 -4,220円(回収率82.34%)

狙い目
福島12R 浄土平特別(500万下 1800芝)
 ◎  7 サクラデジタル
 ○  1 サバース
 ▲  5 リミットブレーカー
 △  8 フミノウインダム
 × 16 メイショウマゼラン
 ×  6 ギムレットロック
 × 11 ナイキアプロード
 × 13 マイネルフェスタ
 × 15 ロードキャニオン

ローカル500万下での人気は近走成績による影響がほとんどである。それだけ、拠りどころにする材料が少なく、どんぐりの背比べのような混戦が日々繰り広げられている。同じような力の馬たちの寄り合いであれば、人気の無いものから買う方が断然面白い。
◎サクラデジタルは、当地・福島で昨秋、福島牝馬S出走のブーケフレグランスとクビ差の接戦を繰り広げているが、休み明けの前走、3番人気で15着と大崩れした。この一戦で人気落ち必至。だが、他の馬たちも500万下をなかなか卒業出来ないメンバーばかりなので、おそらく人気ほどの実力差は無い。前走は急仕上げの為の凡走で度外視したい。

東京12R 4歳上1000万下(1400ダ)
 ◎  4 エイワナギ
 ○ 16 スカーレットライン
 ▲  1 スナークユーチャン
 △  5 ダノンブライアン
 × 15 ディオスクロイ
 × 14 グリンガレット
 × 11 エイシンイッテン
 ×  3 レッツゴーヒチョリ

人気になりそうな馬たちが、それぞれ休み明けであったり、距離実績やコース実績に乏しかったりと、荒れそうな雰囲気が漂う一戦。◎エイワナギは、流れに乗れなければ前走のような脆さをみせることもあるが、東京コースではとにかく堅実。相変わらず坂路では好時計をマークしており、状態自体は良さそう。前走の敗戦で人気も下がり、妙味がありそう。ブリンカー外しで臨む一戦。初ブリンカーと同じく、ブリンカー外し初戦も馬券に絡むケースはよくある。

09年狙い目成績 +6,710円(回収率127.28%)

※ 的中の定義・・・◎-○▲△×のフォーカスを1点100円で購入した場合。
ウラオモテ関係なく的中とし、馬連配当を回収金額とする。尚、○-▲のフォーカスは的中とは定義しない。

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4月25日の重賞予想、狙い目

福島11R 福島牝馬ステークス(GⅢ 1800芝 牝馬)
 ◎ 16 ブーケフレグランス
 ○  5 オディール
 ▲  4 セラフィックロンプ
 △  1 カレイジャスミン
 ×  8 ブラボーデイジー
 × 15 ピンクカメオ
 ×  6 リビアーモ
 ×  3 ベッラレイア

荒れ馬場、重馬場は合うかわからないが、速い時計の無い◎ブーケにとっては有利に働くのでは?牝馬らしからぬ馬格を誇るパワー型の同馬。相性の良い鞍上三浦と良績が集中する1800と条件は揃った。少々キャラの違いは感じれどダイワスカーレットの妹、良血の本格化に期待したい。

09年重賞成績 -3,520円(回収率84.83%)

狙い目
京都10R オーストラリアT(OP 1800芝)
 ◎  3 ドリームサンデー
 ○ 10 マストビートゥルー
 ▲  6 バトルバニヤン
 △  4 カネトシツヨシオー
 ×  9 マチカネオーラ
 ×  1 レインボーペガサス
 × 11 ショウナンアルバ

過去5勝中3勝を雨天時に挙げている◎ドリームサンデー(重馬場自体は1勝)。芝1800で逃げか先行すれば、必ずと言っていいほどの好成績も挙げている。ただ、この馬が得意としているローカル小回りの1800と淀の外回り1800では毛色が全く違うが、そこは開幕週の馬場&雨天が何とか味方をしてくれないか。

09年狙い目成績 +5,120円(回収率121.33%)

※ 的中の定義・・・◎-○▲△×のフォーカスを1点100円で購入した場合。
ウラオモテ関係なく的中とし、馬連配当を回収金額とする。尚、○-▲のフォーカスは的中とは定義しない。

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4月18日、19日の競馬回顧

土曜阪神11R マイラーズC。◎ライブコンサートは10番人気10着。
10番人気の10着。道中は後方のまま、最後まで見せ場なし。単純に此処ではまだまだ足りなかったということ。これでライブには4度目の本命。何度か美味しい思いもさせてもらっているが、やはり特定の馬に入れ込み過ぎはいけない。単なるご祝儀馬券を購入するほどの余裕などないのだから。

土曜中山12R ◎フミノパシフィックは3番人気1着。
思ったより人気したが、狙い通りの快勝。1400Mを主戦場としてきた馬だが、1200Mのスピードにも戸惑うことなく2番手からの競馬。直線は楽に抜け出し、そのまま他馬の追随を許さず2着と3/4馬身のリードを保ちゴールイン。着差以上に強い内容であった。◎-×-○と入線して、単勝、馬連、馬単、3連単ゲット。

日曜福島11R ◎トップオブザロックは2番人気7着。
道中は中団待機。だが、4コーナーから直線入り口までの勝負どころで、どうも置かれてしまう。ズブい。直線はジリジリと伸びて順位を少し上げてゴール。3走前の小倉・早鞆特別でも狙い馬としたが、その際と全く同じ競馬。当時は休み明けのせいで反応が鈍いと思っていたが、どうやらこの馬にはもうローカル小回りは合わないようだ。

日曜中山11R 皐月賞。◎ロジユニヴァースは1番人気14着。
全くどうしたものか。今まで増え続けた馬体が-10キロであったこと、それにしては追い切りが軽かったこと、懸念材料はあるにはあった。それにしても負け過ぎ。ラジオNIKKEI、弥生賞と連勝した馬がこれだけの大敗を喫することは過去を振り返っても例をみないのではないか。中山の馬場でこそ、との馬だとみていたので、調子を取り戻したとしても一層のキレ味が求められるダービーでは厳しいだろう。
○リーチザクラウンも13着敗退。この馬も負け過ぎといえば負け過ぎの感はあるが、これは予想の範疇。やっぱり気性の問題。一生懸命走りすぎるのか、とにかく抑えが効かない。鞍上は距離が長過ぎると言っているようだが、気性面さえ解消すれば、中距離くらいであれば充分通用すると思う。
勝ち馬は無印・アンライバルド。レースは1:58:7というレコードからコンマ2秒差の決着。前半1000Mを59.1秒という皐月賞にしては澱みのない流れで進み、7F目からは11.9-11.8-11.7秒と、3連続して11秒台のラップが刻まれた(ラスト1Fは12.1秒)。全体時計も速いが、上がりも速い。この流れをアンライバルドは自ら仕掛け、突き放す。うまく嵌った感もあるが、はっきりいって強いの一言。まだまだ未知数の馬が多い3歳戦において、過去のレースぶりだけで、キャラを決定付けてしまうことがいかに愚かかということを思い知らされた。では、何を拠りどころに予想を組み立てれば良いのかと言われれば、それはそれで難しいのだが。救いは高評価した若葉S組がそれぞれ2着、5着と踏ん張りをみせてくれたこと、いや当たり馬券にならなければ、何の救いにもならないのだが(苦笑)
とにかく今季もGⅠはこれで順調に4連敗。何とか年間あるGⅠの半分くらいは的中したいなぁなんて思っていたのだが、これで早くも黄信号が灯ってしまった・・・

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4月19日の重賞予想、狙い目

中山11R 皐月賞(GⅠ 2000芝 3歳)
 ◎  1 ロジユニバース
 ○ 18 リーチザクラウン
 ▲  6 ベストメンバー
 △  4 トライアンフマーチ
 ×  2 リクエストソング
 × 10 ゴールデンチケット
 ×  8 メイショウドンタク

世に言われる3強。朝日杯の1、2着が今回は完全な脇役。他にも能力の高そうなトライアル組、そして重賞ウイナー達。近年にないハイレベルな皐月賞である。
展開が鍵を握りそうだ。リーチザクラウンをはじめとして前を主張したい馬が多い。皐月賞というレース自体が、だいたいは前々で決まっていることも踏まえれば、けん制のし合いは考え辛く、Hはないにしても速めのMペースくらいで流れるという想定をする。瞬発力を求められること且つ馬群が団子状態になって内で包まれるSペースが一番怖いロジユニバースにとって、この展開は願ったり叶ったり。押えの効かないサトノロマネがいって、リーチが二番手から抜け出しを狙う。ちょっと速めのペースでばらけた展開であれば、最内枠でも馬群は容易に捌けると思う。あとはスピードの持続力と持ち前のパワーで中山の坂を力強く駆け上がってくれるだろう。人気でも◎はロジ。○はリーチザクラウン。懸念材料は初輸送と坂のあるコース。その点で◎に一歩譲るが、自滅ペースで駆けてしまったラジオNIKKEIほどの差はないと思っている。勿論、相手大本線。▲にHペース、寒竹賞の内容が光るベストメンバー。中山向きの自在力を持つトライアンフマーチが△。いかにも皐月賞に合いそうな本質マイラー馬でもある。×に前走は本来の力を出し切れず、今回は早めのペースで折り合えそうなリクエストソング、そしてゴールデンチケットとメイショウドンタクを少し。
アンライバルドは消し。上記のような展開の見立てをしている以上、瞬発力に長けるこの馬を買うことは出来ない。速いペース、◎○をマークするかたちになるので、脚を溜められず、なし崩しに使わされるのではないか。ダービーや菊花賞で上積みのある馬だと思っている。

09年重賞成績 -3,520円(回収率84.83%)

狙い目
福島11R ラジオ福島賞(1600万下 1700ダ ハンデ)
 ◎ 11 トップオブザロック
 ○  3 ケイアイコンセプト
 ▲  2 シルクストリート
 △ 15 スズカフェロー
 ×  4 サンライズラッシュ
 ×  1 ウィッシュビーワン
 × 10 フランコフォニー
 × 12 ツルマルフェロー

よくローカル1700ダに出てくる馬は、1800ダがイマイチで1700ダが得意という馬が多い。或いは1700ダを得意とする馬は、1800ダより1400ダの方が適性があるような馬が多い。◎トップオブザロックは、1800ダ未勝利に対して1700ダで3勝。しかも当地、福島で2勝を挙げている。前走はHペースに合わなかったが、2走前には不得手の1800ダで勝ち馬と僅差の2着に迫っており、叩き4走目で調子も上がっている。何より、次のローカル開催は新潟なので、この後しばらく1700ダで施行されるレースがない。ここに全力投球なのはローテをみても明らか。先行激化しそうなメンバー構成もいい。

09年狙い目成績 +5,120円(回収率121.33%)

※ 的中の定義・・・◎-○▲△×のフォーカスを1点100円で購入した場合。
ウラオモテ関係なく的中とし、馬連配当を回収金額とする。尚、○-▲のフォーカスは的中とは定義しない。

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4月18日の重賞予想、狙い目

阪神10R マイラーズC(GⅡ 1600芝)
 ◎  9 ライブコンサート
 ○  6 ヒカルオオゾラ
 ▲  7 ビービーガルダン
 △  4 オースミグラスワン
 ×  2 アブソリュート
 ×  3 スーパーホーネット
 ×  8 タマモサポート

ライブコンサートに4戦連続の◎。とにかく阪神マイルは鬼。重賞2着があるとはいえ、前走1600万下の○ヒカルオオゾラに対し、◎ライブはOP特別勝ち。タイムでも上回る。人気ほどの差は無いのでは。他に休み明けのリトルアマポーラ、スーパーホーネット。高齢が気になるカンパニー、オースミグラスワン。初関西遠征のアブソリュートに、坂コースが気になるタマモサポート。有力どころにもそれぞれ死角はある。ライブコンサートでも充分勝負できるとみた。

09年重賞成績 -2,920円(回収率87.08%)

狙い目
中山12R 鹿島特別(1000万下 1200ダ)
 ◎  9 フミノパシフィック
 ○  5 リーズレセプション
 ▲  4 セイコースペシャル
 △  6 モエレジンダイコ
 × 14 メイショウアーチャ
 ×  2 テンザンモビール
 × 11 デュアルプロセッサ
 ×  7 ローランバーク
 × 12 トムアウトランダー

昇級戦でいきなり2着したように◎フミノの能力は高い。初の関東遠征、勿論初コース、距離短縮。課題は多いが自分のペースで運べれば勝負になるのではないか。逃げなくても番手からの競馬も可能。安定した競馬を続ける○リーズレセプションとの馬券が大本線。

09年狙い目成績 +1,520円(回収率106.55%)

※ 的中の定義・・・◎-○▲△×のフォーカスを1点100円で購入した場合。
ウラオモテ関係なく的中とし、馬連配当を回収金額とする。尚、○-▲のフォーカスは的中とは定義しない。

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日本映画の感想 『血と骨』

映画『月はどっちに出ている』『夜を賭けて』の原作者でもある梁石日が、自分自身の父親をモデルに書いた長編小説「血と骨」を、崔洋一監督が映画化。朝鮮から大阪に渡った男の暴力と金に彩られた約60年に渡る破天荒な生き様が描かれる。

とにかく主人公、ビートたけし演じる金俊平である。
気に入った女がいれば無理矢理犯し、結婚しても家族を放り出して行方をくらまし、戻ってくれば妻や子を殴り、会社を興せば従業員を殴りつけ、腹が立ったら手斧で家をメチャクチャに破壊し、妻子がいる目の前に妾を囲い、妾が病で倒れれば同じ屋根の下に別の女を住まわせ子どもを生ませる。勿論、この主人公に感情移入や同情をすることはない。結局、何が言いたいのかよくわからない映画(或いは小説)なのだが、多分、「この人はどうしてこういう人なんだろう?」という戸惑いや、彼に対する怒りといった、主人公を取り巻く人々が感じる思いと同じことを観客にも味わってもらう。これこそが狙いなのだろう。原作者にしても主人公の実子ではあるが、主人公の理解者では決して無く、あくまで被害者という立場でこの話を綴っていることは明白だ。

キャスト陣。
ビートたけしは、もう既に俳優としても抜群の存在感を持っていた人ではあるが、そこに一層の殺気めいた迫力と、時折みせる哀切めいた表情が確かな演技力を感じさせて、この人はもう俳優としてもかなりの高みにまで登りきったのだと感じさせる。
特筆は濱田マリ。飄々としていて乾いたタッチの独特の存在感に、今回はヌードまで披露して頑張っている。大阪弁はこの人の“地”だから文句なし。実は今回のキャストの中で一番目を引いた存在である。



 『血と骨』                                  Chitohone_2
  監督:崔洋一
  脚本:崔洋一、鄭義信
  撮影:浜田毅
  音楽:岩代太郎
  出演:ビートたけし、鈴木京香、オダギリジョー、
      北村一輝、新井浩文、田畑智子、
      濱田マリ、松重豊、國村隼、寺島進、
      中村優子、唯野未歩子、柏原収史
  (2004、『血と骨』製作委員会)

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4月11日、12日の競馬回顧

土曜阪神9R 大阪-ハンブルグC。◎ナイアガラは8番人気8着。
外伸びする馬場も合わなかったが、ゆっくりしたペースながら終始ハイアーゲームに絡まれ、自分のペースで先行できなかったことも敗因か。出来も一息にみえた。

土曜阪神10R 阪神牝馬S。◎ザレマは3番人気2着。
3番人気といっても、単勝オッズは10倍超。良血ながら休み明けの△ポルトフィーノと、圧勝というだけで1200Mのローカル1000万下を勝ち上がったばかりのアルティマトゥーレが過剰人気したおかげだ。ザレマは距離短縮が功を奏し、いつものように先行は出来なかったが、掛かることもなく中団から好位をスムーズに進む。直線ではロスなく力強く抜け出し、完璧な競馬かと思われたが、たまに来るキレ者・ジョリーダンスの鬼脚に足元をすくわれた。ジョリーの馬主である俳優・小林薫氏もさぞかし喜んでいることだろう。×-◎で馬連のみかろうじてゲット。

土曜中山11R ニュージーランドT。◎サンカルロは1番人気1着。
この馬も掛かり癖があるが、今回は中団の内々で折り合う。直線は力強く抜け出し、2馬身差の快勝。今回は相手が弱かったこともあるが、元来は中山より府中の方が良いパフォーマンスをみせる馬。NHKマイルでは更に相手も強化されるが、この馬にとっては大きな収穫となった勝利。馬連、馬単ゲット。

日曜福島5R ◎カフェアラジンは2番人気1着。
ラジオ観戦のため、レースは見れず。好位5番手からの差しきりだった様。◎-▲-×の入線で、単勝、馬連、馬単、3連単ゲット。

日曜阪神10R 桜花賞。◎ワンカラットは6番人気4着。
ちょっと出遅れる。直線では前が詰まる。でも残り100Mくらいでグングン伸びてきたので、非常に惜しい競馬だった。或いは出遅れて、外に回したことがこの好走に繋がったのかもしれないが、能力の一端は見せた。NHKマイルに出てくれば面白そう。
それにしても外伸び馬場ながら、強引な競馬で上位を確保した1~3着馬は他とはやはり力の差があった。上位人気馬たちが、強い競馬で当たり前のように上位を確保する。オークスでも桜花賞組が中心だろう。ブエナビスタはもちろんのこと、トライアル組より、桜花賞負け組で人気を下げるであろう実力馬あたりを狙ってみたい。

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4月12日の重賞予想、狙い目

阪神10R 桜花賞(GⅠ 1600芝 3歳牝)
 ◎  6 ワンカラット
 ○  9 ブエナビスタ

圧倒的人気の○ブエナの弱点といえば早い時計が無いこと。道中ゆっくり進めば進むほど、その瞬発力が生きる。さて、ここでちょっとペースが速くなったとして、今までのような末脚が繰り出せるのか?そこが気になる点である。とはいえ、粗探しの域は出ないが・・・
Bコースに変更になってからの阪神コースは速い時計が連発している。マイルは減点材料であることを承知した上で、◎はワンカラット。前走の好時計を鵜呑みにするのは危険かもしれないが、好位でうまく立ち回り出来れば、たとえ数%でもブエナビスタに一泡吹かせるシーンがあるかもしれない。とにかく折り合いが鍵になる馬なので、阪神JFよりももっとペースが速くなってほしい。◎-○の馬連1点勝負。◎→○の馬単、カラミの3連単も少々。

09年重賞成績 -2,820円(回収率87.47%)

狙い目
福島5R 3歳未勝利(1200芝)
 ◎  8 カフェアラジン
 ○  4 バンブーレアル
 ▲  6 ヴィトンクイーン
 △ 12 タマモコロナ
 × 14 ドクタークリス
 ×  3 ナムラアワード
 ×  2 カリスマテーラー

中央場所で骨っぽい相手と戦ってきた◎カフェアラジンが必勝を期してのローカル遠征。距離短縮も良いし、初の小回りコースだが、ミスプロ内包なので無難に対応するだろう。

09年狙い目成績 +1,400円(回収率106.19%)

※ 的中の定義・・・◎-○▲△×のフォーカスを1点100円で購入した場合。
ウラオモテ関係なく的中とし、馬連配当を回収金額とする。尚、○-▲のフォーカスは的中とは定義しない。

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4月11日の重賞予想、狙い目

中山11R ニュージーランドT(GⅡ 1600芝 3歳)
 ◎  5 サンカルロ
 ○  9 マイネルエルフ
 ▲ 14 ティアップゴールド
 △ 12 リスペクトキャット
 ×  3 ジョーカプチーノ
 ×  1 ケイアイテンジン
 × 13 ツクバホクトオー
 ×  8 ジョーメテオ

重賞でも上位を賑わせている◎サンカルロが、ここでは一枚抜けた存在か。マイルC出走のためにもここは何としても落とせない鞍。

阪神10R 阪神牝馬ステークス(GⅡ 1400芝 牝馬)
 ◎  8 ザレマ
 ○  1 ハチマンダイボサツ
 ▲ 17 レインダンス
 △ 16 ポルトフィーノ
 ×  5 サワヤカラスカル
 × 11 ウエスタンダンサー
 × 12 ジョリーダンス
 ×  4 エリモハルカ

人気薄の時に限り激走する◎ザレマ。最近は少々掛かり気味だけにこの距離短縮も良さそうだし、切れ味をさほど求められない今の馬場レベルも良い。

09年重賞成績 -9,350円(回収率55.69%)

狙い目
阪神9R 大阪-ハンブルグカップ(4歳上OP 2400芝 ハンデ)
 ◎ 10 ナイアガラ
 ○  9 ゴールデンメイン
 ▲  4 タガノエルシコ
 △  3 フォルテベリーニ
 ×  1 ゼンノグッドウッド
 ×  5 ハギノジョイフル
 ×  6 メイショウクオリア

前走はあからさまな叩きレースだった◎ナイアガラ。距離延長、切れ味を求められない重い芝はまさに適条件。昨年暮れのステイヤーズSで2番人気を集めた馬。ここは反撃の匂いが漂う。

09年狙い目成績 +2,000円(回収率109.09%)

※ 的中の定義・・・◎-○▲△×のフォーカスを1点100円で購入した場合。
ウラオモテ関係なく的中とし、馬連配当を回収金額とする。尚、○-▲のフォーカスは的中とは定義しない。

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日本映画の感想 『女囚さそり けもの部屋』

さそりシリーズも第3作にさしかかり、少々トーンダウン。

まず、これまでは劇画世界の実写化にあたり、徹底したリアリティ無視という方法論の為、様々な見せ方や手法が次々に飛び出してきて非常に面白かったのだが、本作では変にメロドラマ的要素などを入れてしまったばかりに、そんな部分が少々薄れてしまったように思える。『雑居房』では、刑務所→荒野の逃亡という、ある意味描く景色の少ない閉鎖的空間であったからこそ、耽美かつ劇画以上に劇画的な世界のアイデアが大量に噴出したのかもしれないが、本作ではけもの部屋(都会)が舞台であったばっかりに、下水道など見慣れた空間を舞台にせざるを得なかったのが要因かもしれない。でも、見せ方次第ではもっと面白くも出来たのでは?とも思うのだが・・・

あとは、やはり南原宏治&李礼仙という、もうそのビジュアルからしてテンションの高さを疑う余地のない敵役たちが、いとも簡単にさそりに怯えたり、死んだりとあっさりしている点がちょっと物足りない。いつもより髪の多い成田三樹夫も、渡辺文雄ほど小憎たらしくなかったし、李礼仙も白石加代子の迫力には遠く及ばなかった。南原に至っては、カラスに驚いて窓から落ちてしまうという呆気ない最期。

ただ、さそりが自分の怨念だけでなく、世の中の様々な女たちの怨念、情念をも巧みに操作して男たちを陥れていくといった部分には新鮮味を感じた。


 『女囚さそり けもの部屋』                        Sasori_kemono
  監督:伊藤俊也
  脚本:松田寛夫
  撮影:清水政夫
  音楽:菊池俊輔
  出演:梶芽衣子、成田三樹夫、李礼仙(現:李麗仙)
      南原宏治、渡辺やよい、藤木孝、
      八名信夫、真山知子、森みつる
  (1973、東映東京)

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4月4日、5日の競馬回顧

土曜中山10R ◎マッキーバッハは3番人気9着。
狙い通りの逃げ戦法。しかし、同じくハナを主張したティズインパルスを競り落とすのに苦労したし、早めに後ろから突付かれて展開も厳しくなった。坂のあるコースもよくないのかもしれない。

日曜中山10R ◎メガリスは7番人気16着。
馬券を取れなければ上位も下位も同じことだが、それにしても最下位は悲しい。
懸念していたスタートは意外と良く、好位に取り付いたが、向こう正面でゴチャついてズルズルと後退した。とにかく今回は参考外の一戦。

日曜阪神11R ◎カシノブレイヴリは11番人気10着。
この馬も勝ち馬に早めに取り付かれて、展開が厳しくなった。ただ、馬体も絞れて状態そのものは良いように見えた。近いうちに波乱演出の目はあると思う。

日曜中山11R ダービー卿チャレンジCT。◎タケミカヅチは1番人気1着。
予想外の1番人気。しかし単勝は670円もつけた。いかに混戦であったかを物語っている。やはりマイルは切れるし、なんといっても中山は皐月2着がある。順当勝ちだろう。ただ、ヒモを絞ったので、馬券はハズレ。頭からいく自信も無かったので単勝も購入していなかった。ヒモに取った△キャプテンベガ、×リザーブカードが僅差の4、5着。

日曜阪神10R 大阪杯。◎ディープスカイは1番人気2着。
負けはしたものの、斤量59キロを考えればクビ差2着は上々ではなかろうか。○ドリームジャーニーが1着。以前に同馬を「坂は気にしないが、小回り、短い直線、パンパンの良馬場に好走条件が限定される馬」と評したが、今回などまさに好条件が揃った舞台。必然の快勝であったか。ただ、この馬の得意とする条件でGⅠは施行されないだけに、それが悲しいといえば悲しい。▲カワカミが差しに回って3着キープ。馬連、3連単ゲット。

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4月5日の重賞予想、狙い目

中山11R ダービー卿チャレンジCT(GⅢ 1600芝 ハンデ)
 ◎  4 タケミカヅチ
 ○ 15 ショウナンアルバ
 ▲  8 レオマイスター
 △ 11 キャプテンベガ
 ×  7 リザーブカード

過去のデータ、行きたい馬が多いことを鑑みて、トップハンデ馬や先行馬を切り、差し→差し決着を想定した。◎タケミカヅチ。クラシック路線も盛り上げた同馬だが、マイルが一番切れる印象。相手にも可能性のありそうな差し馬をチョイスして、馬連、ワイドで勝負してみたい。

阪神10R 大阪杯(GⅡ 2000芝)
 ◎ 11 ディープスカイ
 ○  8 ドリームジャーニー
 ▲  2 カワカミプリンセス

展開を考えてみる。ヴィクトリーが快速を飛ばす。武豊に鞍上が代わってどういう競馬ぶりになるか注目のマツリダゴッホだが、基本的には切れる脚の無い馬なので、早めの勝負を仕掛けてくるだろう。しかし、ヴィクトリーを捕まえるのに苦労しそうな気がする。4角で一気にペースが上がり、外差しが効きやすくなってきた馬場を利して、此処も差し→差し勝負とみる。◎は負けられないと豪語するディープスカイ。但し、取りこぼしも想定して○、▲から◎への折り返しの馬単も買うつもり。特に今回、▲カワカミが久々に差し競馬を披露すれば面白い。

09年重賞成績 -9,270円(回収率54.78%)

狙い目
中山10R 春風ステークス(1600万下 1200ダ)
 ◎  8 メガリス
 ○  3 ファイナルスコアー
 ▲  2 シルクレセプション
 △  7 メジロファルカル
 ×  6 ゲイリースノーマン
 × 12 ジェイケイボストン
 ×  4 サザンビューティー
 ×  5 リンリンリン
 × 10 ミッキーフォルテ

前走に引き続き◎メガリスを昇級戦でも狙ってみたい。
中山は初見参だが、阪神での好走から直線の急坂は合いそう。近走、ズブくなっている面を覗かせているが、ペースが速くなりそうな此処は返ってこの馬の待機策も功を奏しそう。人気は無いだろうから、手広く流す。

阪神11R 4歳上1000万下(1400ダ)
 ◎  4 カシノブレイヴリ
 ○  7 スマートブレード
 ▲ 16 セレスコクオー
 △ 10 ルティラーレ
 ×  3 マルサンテクニカル
 × 13 エイトサンデー
 ×  1 メイショウフウライ

最近は中距離を中心に使われていた◎カシノだが、本来は1400ダをもっとも得意とする。阪神も得意。ノーマークの先行で波乱の演出とはいかないだろうか。

09年狙い目成績 +3,400円(回収率116.50%)

※ 的中の定義・・・◎-○▲△×のフォーカスを1点100円で購入した場合。
ウラオモテ関係なく的中とし、馬連配当を回収金額とする。尚、○-▲のフォーカスは的中とは定義しない。

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4月4日の狙い目

中山10R 安房特別(1000万下 2500芝 ハンデ)
 ◎  4 マッキーバッハ
 ○  2 ベストオーカン
 ▲  3 ミヤビベガ
 △ 10 ロックザキャスバ
 × 12 フランドルシチー
 ×  5 ヤエノアカハチ
 ×  8 レイトスプリング

歯痒いレースが続いているが、伸びずバテずの◎マッキーバッハには今の速さ、キレを求められない中山の馬場は合うかもしれない。関西に比べれば相手関係も楽に映るし、56キロに落ち着いたハンデも気にならない。他の人気どころに差しタイプが多いので、前々で積極的なレースを展開したい。

09年狙い目成績 +4,000円(回収率120.00%)

※ 的中の定義・・・◎-○▲△×のフォーカスを1点100円で購入した場合。
ウラオモテ関係なく的中とし、馬連配当を回収金額とする。尚、○-▲のフォーカスは的中とは定義しない。

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日本映画の感想 『女囚701号 さそり』

女囚さそりシリーズ第1弾。僕は2作目の『第41雑居房』の方を先見していて、そちらに比べれば梶芽衣子演じるナミの尋常じゃない冷酷さがまだまだ軟な感じがして、そこいらあたりに物足りなさを感じなくもない。まぁ、第1作ということで、ナミがいかにして冷酷非情で憤怒の塊ともいえる伝説的な女囚にならざるを得なかったのかを説明する義務がどうしても生じてしまうので、まだまだ人間らしさを残しておかなければならない、という縛りこそあるでしょうが。

「雑居房」の項でも書いたことだが、このシリーズは劇画の実写化ということで、劇画で展開される世界によりいっそうのリアリズムを求めるのではなくて、イメージシーンの多さなどに代表される、劇画以上にリアリズムから距離を置くことによって、逆に映画は映画なりの独自世界を生みだして成功した。当時の映画作りの常識から鑑みれば、こういう作風は異端であり画期的であったように思う。このシリーズがもう30年以上前の映画だというのに新鮮さを保ったままなのは、劇画の映画化の成功例が30年経った今でも数えるほどに少ない、ということに尽きるのではないだろうか?

劇画の持つ世界を忠実に再現するのか?また実写による忠実な再現はどこまで可能なのか?劇画世界をまったく無視して、新しいアプローチを試みるのか?表現法は多々あれど、ある程度原作の持つイメージも活字体の小説以上に付きまとうから難しい。だが、ここ近年は日本・韓国・そしてハリウッドにおいても劇画の実写映画化が大流行である。そんな時代だからこそ、このさそりシリーズが劇画実写化のパイオニアとして見直されても良いと思うのだが。


 『女囚701号 さそり』                           Sasori_2
  監督:伊藤俊也
  脚本:神波史男、松田寛夫
  撮影:仲沢半次郎
  音楽:菊池俊輔
  出演:梶芽衣子、横山リエ、扇ひろ子、
      渡辺やよい、沼田曜一、夏八木勲、
      三原葉子、渡辺文雄、堀田真三
  (1972、東映東京)

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日本映画の感想 『女囚さそり 第41雑居房』

よくぞ劇画の世界をこれだけ劇画よりも劇画チックに描けたものだと、感嘆せずにはいられない。ルパン三世、ゴルゴ13、北斗の拳、デビルマン・・・かつて、実写映画化されたこれらの劇画作品は、虚構と現実の間でもがき苦しんで、あげく途方もないくらい退屈で残念な仕上りだった。劇画というものは、かなり現実社会に近い舞台設定ながら、「ありえねーだろ!?」的な非現実的事象が連続してしまうものだから、作り手側にとっては、常に虚構と現実の狭間で、その表現方法に悩むこととなる。

とにかく劇画の実写映画化というのは、難しいものなのだが、この映画の凄い所は、現実に後戻りするのではなくて、劇画の世界をもう一歩踏み込んで、映画独自の虚構の世界を作り出していることに尽きると思う。脱獄した女囚たちの罪状を浄瑠璃形式で紹介してみたり、女囚の社会から虐げられているという心情を前衛劇の舞台のような手法で表現してみたり・・・他にも一見、大袈裟とも取れるデフォルメがいっぱいあるのだが、とにかく映像でしか表現し得ない虚構の世界にあえて踏み込んで、原作のイメージは損なうことなく、映像美の究極のセンまで昇華させているのは、本当に素晴らしい。ラストはナミ(梶芽衣子)が、極悪刑務所長郷田(渡辺文雄)に「怨み節」という名のドスを何発もくらわせて、唐突過ぎる女囚だらけのマラソン大会でしめくくり。マラソン大会ってわかりにくいかもしれないが、とにかく女囚たちが囚人服で朝焼けの大都会を「自由への疾走」するのである、唐突に。シュールでファンタスティックな美しいラストシーン。

キャスト陣。
相変わらず多くを語らず、ドスの利いた目線のみで「恨み」を表現する梶芽衣子は恐ろしくも見目麗しい。その梶の異様なまでの「恨み」に対峙する白石加代子のとんでもない狂気っぷりも圧巻。さすがはアングラ演劇といったところか。極悪刑務所長・渡辺文雄も憎たらしい。怖い。前にも言った気がするが、幼少の頃見たソルマックCMや連想ゲームの渡辺文雄はそこには居ない。ついでに股間に巨木を撃たれて殺される小松方正、小便をもらす戸浦六宏もポイント高し、というか大島渚映画常連俳優たちの東映での粗末な扱われっぷりはいつも凄い。


 『女囚さそり 第41雑居房』                        Sasori_zakkyo_4
  監督:伊藤俊也
  脚本:松田寛夫、神波史男、伊藤俊也
  撮影:清水政夫
  音楽:菊池俊輔
  出演:梶芽衣子、白石加代子、荒砂ゆき、
      伊佐山ひろ子、八並映子、賀川雪絵、
      渡辺文雄、室田日出男、小松方正、
      戸浦六宏、堀田真三、小林稔侍
  (1972、東映東京)

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