日本映画の感想 『徳川女刑罰史』
この映画によって、いよいよ東映異常性愛路線がスパークしました。今見るとなんてことはない表現ですが、それこそ当時は大ひんしゅくを買ったのだそうです。磔串刺し、火あぶり、尼さん釜茹で・・・まぁやってること自体はエゲツないですから。それでいて、この年の興行収入ベスト10だったりする映画です。
畜生道(近親相姦)に陥った女(橘ますみ)と、色欲に耽って人殺しまでした尼僧(賀川雪絵)と、究極の苦悶の表情を刺青に込めようと異常に張り切る彫師(小池朝雄)の3話オムニバス。例によって1話でも一本の映画に出来そうな石井監督流の濃密3コンボです。
でもやっぱり、テンションが高いのはなんといっても小池朝雄。なにかと小池を挑発するサド奉行・渡辺文雄という好敵手を得て、そのエログロ異常パワーの能力全開。エネルギッシュでアブラギッシュな江戸一の彫師を大熱演。飄々とした刑事コロンボの面影は、そこにはありません。それに対する渡辺文雄もサドパワー全開で、「連想ゲーム」やソルマックCMの優しそうなオッチャンの面影は、やっぱりそこにはありません。まぁもともとご両人とも悪役専門みたいなとこありますが。そしてなんだかんだ疑問を感じつつ、やっぱり傍観者なままの吉田輝雄は、橘ますみと近親相姦の関係に陥ってしまう兄。錯乱した橘に刺されて絶命したかと思いきや、サド渡辺の拷問自白強要に疑念を抱く兄そっくりの与力という、わけのわからない二役で再び登場します。橘ますみも熱演。最後はかわいそうに水磔の刑に処せられて・・・(吉田助けてやれよ)。
『徳川女刑罰史』
監督:石井輝男
脚本:石井輝男、荒井美三雄
撮影:わし尾元也
音楽:八木正生
出演:吉田輝雄、橘ますみ、賀川雪絵
尾花ミキ、三笠れい子、小池朝雄
渡辺文雄、由利徹、林真一郎
(1968、東映京都)
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